AIチャットボットとは、AIを使って入力された言葉を処理し、会話形式で情報を案内するソフトウェアです。Webサイトで質問に答える、社内のマニュアルを探す、商品を比較する人へ関連ページを案内する、といった使い方があります。
ただし、「AIを入れれば何でも答えられる」「使うほど自動で正しくなる」という仕組みではありません。この記事では、初めて導入を担当する方へ、回答の作られ方と、準備すべき情報を整理します。
チャットボットとAIチャットボットの違い

チャットボットは、会話の形で利用者とやり取りする仕組みの総称です。そのすべてにAIが使われているわけではありません。あらかじめ用意した選択肢やルールに沿うものもあれば、自然言語を処理して質問に合う返答を探したり生成したりするものもあります。IBMの定義・解説でも、この違いが説明されています。
| 案内の方法 | 利用者の操作 | 導入時に用意するもの |
|---|---|---|
| 選択肢・シナリオによる案内 | 表示された項目から選ぶ | 質問の分岐、回答、案内先 |
| FAQの検索による案内 | 知りたいことを文章で入力する | 質問と回答、言い換え、対象外の案内 |
| 生成AIを使う案内 | 文章で質問し、必要なら追加で説明する | 役割の指示、参照する情報、回答範囲 |
これは機能を理解するための整理です。一つのサービスで、選択肢・FAQ検索・生成AIを併用する場合もあります。方式の名前より、実際にどのような質問へ答えられるかを見てください。
用途が見えてきたら、AIチャットボットの比較項目と同条件でのテスト手順を使って、候補サービスの違いを確認できます。
回答はどのように作られるのか

例えば「このサービスは夜でも相談できますか」という質問を考えます。必要なのは、質問の意図を取り出し、営業時間や問い合わせ窓口の情報へ結び付けることです。生成AIを使う場合は、その情報を基に読みやすい文章を組み立てる構成があります。
- 入力を受け取る:利用者の質問や、必要に応じて直前の会話を扱う。
- 情報を参照する:登録FAQや文書から、質問に関係する内容を探す。
- 返答を作る:登録回答を提示したり、参照情報を基に文章を生成したりする。
- 行動へ案内する:詳細ページ、フォーム、担当窓口などを示す。
製品によって構成は異なり、すべてが同じ手順を使うわけではありません。キャンセル手続きや予約変更などを実行したい場合は、回答機能に加え、業務システムとの連携と権限の設計が必要になります。
自社情報を参照するRAGとは
RAGは、質問に関係する文書などを検索し、その内容を生成AIへの入力に加える構成です。モデルが元から持つ情報だけに頼らず、自社の資料を回答に使うための方法です。Microsoft Learnに基本の流れが示されています。
資料の検索と、モデル自体の再学習は別です。また、元の情報が古い、必要な部分を検索できない、説明を取り違えるといった問題は残ります。参照元があることと、回答が正しいことは同じではありません。
キャラクターを会社の案内役に
自社なら、どの質問を任せられる?
案内したいページと、よく聞かれる質問を用意してご相談ください。キャラクターの口調から相談窓口への導線まで、一緒に具体化できます。
できることは、担当業務から考える

お客さま向けなら、よくある質問、商品の特徴、資料ページ、問い合わせ先の案内が出発点になります。社内向けなら、経費申請や社内手続きの説明など、参照先が整理されている質問から始めやすいでしょう。
一方で、個別契約の判断、本人確認を伴う変更、例外的な返金などは、そのまま自動化の対象にしない方がよい場面です。まず案内まで任せるのか、処理まで実行させるのかを分け、担当者が判断する条件を決めます。
| 期待する役割 | 準備が必要なこと |
|---|---|
| 営業時間外の質問の入口 | 回答できる範囲、受付後の連絡方法 |
| 繰り返し質問の案内 | 正しいFAQ、変更時の更新担当 |
| 商品理解や問い合わせの支援 | 比較情報と、次に進めるリンク |
| 社内情報の検索 | 文書の整理と、閲覧可能な範囲 |
繰り返し質問の対応から始める場合は、問い合わせ対応をFAQ・AI・人に分けて整理する手順も参考にしてください。
導入前に決めたい四つのこと

- 対象:誰の、どの質問を最初に扱うかを一文で決める。
- 正解の情報:FAQ・マニュアル・担当部署など、回答根拠と更新元をそろえる。
- 答えない条件:情報がない、本人確認が必要、担当者を希望する、といった場合の案内先を決める。
- 確認方法:正しい回答だけでなく、未解決の質問と案内先のクリックを確認する。
小さく始めるなら、一つのサービスの問い合わせに範囲を絞り、代表的な質問を試します。利用者が迷った言い方や、回答できなかった内容を確認し、担当者がFAQや設定を更新する運用をつくりましょう。
会話を「次の行動」につなげる

AIが長く話すこと自体を目的にせず、知りたい情報を得て、必要なページへ進めることを目指します。登録ボタンを押した数と、実際に登録を完了した数も分けて把握すると、改善する場所が分かります。
ピタリーは、会社のキャラクターを使った問い合わせ対応や商品・サービス案内を支えるAIチャットボットです。FAQ・指示内容の設定、Webでの導入の流れはピタリーの利用ページで確認できます。利用できる機能はプラン・構成に応じて確認してください。
自社らしい話し方や回答範囲は、キャラクター設定プロンプトの6項目と記入例で具体化できます。
AIチャットボットとAIエージェントの違いは?

名称よりも、案内だけを行うのか、外部システムで処理も実行するのかを確認します。例えば「予約の変更方法を説明する」ことと「予約を書き換える」ことでは、必要な連携と権限が異なります。製品ごとに担当できる範囲を確認してください。
小さく導入するための準備シート

| 決める項目 | 最初の記入例 |
|---|---|
| 対象ページ | 一つのサービスの紹介ページ |
| 利用者の疑問 | 対象者、利用条件、資料の場所 |
| 回答の根拠 | 更新日が確認できるFAQと公式資料 |
| 答えない内容 | 未確定の価格、個別の契約判断 |
| 人への案内先 | 営業相談フォームと受付後の連絡方法 |
| 確認する結果 | 回答の正しさ、案内リンク、相談完了 |
公開前には、正解のある質問だけでなく、情報がない質問と、担当者に相談したい質問も試します。公開後も利用状況を確認し、FAQと案内先を更新する担当者を決めましょう。
よくある質問

会話が増えると、自動で賢くなりますか?
すべての製品が会話から自動で学習するわけではありません。ログを確認してFAQや参照資料を直す作業と、モデルの学習を区別し、サービスの仕組みを確認してください。
無料で試すだけで、導入効果は分かりますか?
操作感の確認と、自社の情報での検証は別です。使える機能・利用上限・公開環境の条件を確認し、自社の代表的な質問で試します。選択肢で進む会話デモの場合は、自由入力のAI応答を検証したことにはなりません。
候補の選び方はAIチャットボットの比較表とテスト手順、繰り返し質問の整理は問い合わせ対応を効率化する方法も参考にしてください。
参考情報

参考資料・関連情報
執筆・編集:村上 卓斗 / 最終確認:2026.10.29
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