「問い合わせを受けた後、担当が決まらず止まる」「回答済みなのに再び同じ相談が来る」。そんな現場に向けて、受付から完了までの責任と分岐を整理するフローの作り方をまとめます。回答文をそろえるマニュアルとは分け、誰が次に何をするかを中心に考えます。
受付・確認・回答・完了を定義する

受付の記録があっても、誰が返答するか決まっていなければ問い合わせは止まります。まず「受付」「確認・担当割当」「対応中」「回答済み」「完了」など、自社で管理する状態を決めます。保留する場合は、何を待っているのかと次の確認日を別に記録します。
回答を送っただけで、すべて完了にしてよいとは限りません。利用者の返答が必要な案件、社内の処理が残る案件を区別し、どこまで終われば完了かを合意します。以下の表は設計例です。
| 状態 | 次へ進める条件の例 | 確認する人 |
|---|---|---|
| 受付 | 対象と緊急度を確認し担当を割り当てる | 受付担当 |
| 対応中 | 根拠と承認を確認して回答する | 主担当・承認者 |
| 回答済み | 追加対応の有無を確認する | 主担当 |
| 保留 | 必要な情報や判断がそろう | 次の確認担当 |
| 完了 | 自社の完了条件を満たす | 主担当 |
表は横にスクロールして確認できます。
緊急度と個別判断の分岐を決める

問い合わせの種類だけでなく、緊急度、影響範囲、本人確認の要否、自社で承認できるかを確認します。「急いでいると言われたら最優先」とするだけではなく、業務停止や安全に関わる内容など、組織の基準を明記します。
一般的な案内で答えられる場合と、契約や返金などの個別判断を必要とする場合を分けます。分岐に必要な情報が不足していれば、確認する担当と質問内容を決めて保留します。回答を推測して先へ進めないようにしてください。
担当・期限・引き継ぎ先をそろえる

各工程には、主担当、代理担当、承認者、次の確認期限を設定します。共有メールの受信者全員が担当だと考えず、一つの案件を誰が持っているか分かるようにします。
引き継ぐ際は「質問の要約/確認済みの事実/未確認の点/利用者へ既に伝えたこと/次に必要な判断」を残します。個人情報や契約情報は必要な範囲で参照できる場所に置き、無関係な共有先へ複製しないようにします。担当が変わったことと、引き継ぎ先が受け取ったことも区別します。
主担当と「次に確認する期限」がない案件を残さないことが、点検の出発点です。
未回答と再問い合わせを戻す経路を作る

返答がない案件や、同じ質問が再び届いた案件を、最初から別の案件として処理すると経緯が見えなくなることがあります。関連する受付を照合し、継続対応か新しい相談かを確認する経路を作ります。
「担当者が不在」「回答の根拠が見つからない」「承認が遅れている」など、通常の流れを進めない場合の連絡先も決めておきます。利用者への待ち時間の案内は、実際に守れる内容に限ります。期限を過ぎた案件を誰が見つけ、誰へ知らせるかまで設計してください。
フロー図と運用確認表を用意する

フロー図は、担当者が次の行動を判断するための資料です。箱を増やす前に、開始と終了、状態、判断する質問、はい・いいえの行き先がそろっているか確認します。文章だけで判断できない箇所は、実際の問い合わせを使って読み合わせましょう。
図とは別に、案件ID、現在の状態、主担当、次の期限、保留理由を確認できる運用表を用意します。図が正しくても一覧が更新されなければ滞留を把握できません。以下のような確認項目を自社のツールに合わせて用意してください。
- 案件の状態と担当が一致しているか。
- 保留理由と次の確認日が記録されているか。
- 引き継ぎ先が受け取ったことを確認したか。
- 利用者への連絡と社内処理の両方を終えているか。
チェック項目は運用を検討するための例です。
試行後に滞留箇所を振り返る

まず一部の問い合わせで試し、受付から担当割当まで、確認待ちから回答までなど、どの区間で止まったかを振り返ります。全体の平均対応時間だけでなく、未回答や再問い合わせも同じ条件で確認します。未取得の時間を0分として集計しないようにします。
定型案内をFAQやAIに任せる場合も、回答できない質問を担当者へ渡す経路は残します。自動化する質問と人に残す相談の判断表や、問い合わせ対応の役割分担を整える手順と一緒に確認してください。PITALIyへ知識を登録したことと正しく回答できることは別なので、実際の質問で正誤を検証します。
よくある質問

マニュアルとフローはどう違いますか?
マニュアルは回答内容や判断条件を、フローは担当と状態の移り方を整理します。問い合わせ対応マニュアルの記入例と合わせて使えます。
すべての例外を図に入れるべきですか?
頻出の分岐と、例外時の引き継ぎ先を先に明確にします。細かな条件は参照するマニュアルへまとめ、図の行き先が不明にならないようにします。
ツールを入れればフローは不要ですか?
担当、期限、完了条件は自社で決める必要があります。自動化の前後に責任が途切れないかも確認します。
参考情報

本文の状態と表は編集上の設計例です。自社の会話案内と人への引き継ぎを検討したい方は、ピタリーでの案内設計を相談することができます。
参考資料・関連情報
執筆・編集:村上 卓斗 / 最終確認:2026.10.31
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