AI利活用ガイドラインを策定するときは、原則を並べるだけでなく、現場で迷う場面へ答えられる形にしましょう。「どのツールに何を入力してよいか」「出力を誰が確認するか」「問題があればどこへ連絡するか」が分かることが大切です。
この記事は、企業が社内ルールを検討するための実務的な整理です。公的資料も参照しながら、業務や契約、社内規程に合わせて調整してください。ガイドラインの作成だけで、すべてのリスクをなくせるわけではありません。
手順1:使っているAIと、対象業務を洗い出す

文章作成、議事録の要約、社内資料の検索、Web接客など、現在の利用と今後の予定を整理します。誰が利用し、どのデータを入れ、出力をどこへ渡すかまで確認しましょう。
同じツールでも、社内の下書きと顧客へ直接返す回答では、誤りの影響が異なります。対象業務ごとに、試用中、承認済み、確認が必要な利用を分けると、担当者が判断しやすくなります。
手順2:利用するツールと確認窓口を決める

許可するサービス、利用できるアカウント、管理者、新しい用途を相談する窓口を決めます。無料か有料かだけで判断せず、契約・設定・データの取扱い・権限・停止方法を確認してください。
IPAは、AI事業者ガイドラインを、開発者・提供者・利用者などがリスクを認識し、必要な対策を実行するためのガバナンス指針と説明しています。他組織の文書をそのまま使うより、自社の立場と使い方へ当てはめることが重要です。
法人プラン 月額19,800円〜(税別・税込21,780円〜)
次の一歩は、接客の体験から。
自社のサービスやよくある質問を、キャラクターが案内するピタリー。どんな接客ができるのか、利用ページでご覧ください。
手順3:入力してよい情報を具体例で示す

| 情報の例 | 社内で決める確認事項 |
|---|---|
| 公開済みの商品情報 | 利用目的、資料の権利、最新の版 |
| 社内文書・業務データ | 外部送信の可否、承認、参照できる人 |
| 個人情報を含む内容 | 入力の必要性、目的、提供者の取扱い条件 |
| 認証情報・秘密情報 | 入力しない情報の明示と、誤入力時の連絡先 |
この表は、自社ルールを作るための確認例です。公開情報なら無条件に自由に使える、匿名化すれば何でも入力できる、といった判断は避けます。個人情報保護委員会の注意喚起も参照し、必要な範囲とサービス側の利用条件を確かめましょう。
手順4:出力を使う前の確認と承認を決める

事実、数値、引用、機密情報、他者の権利に関わる内容などを、用途に応じて確認します。資料名やURLが出力されても、実在し、内容を支えているかを確かめてください。
例えば、社外メールの下書きなら送信者が確認し、広告や重要な案内なら関係する承認者も確認する、といった分担が考えられます。AIが回答を直接表示する仕組みでは、公開前のテスト、回答範囲、不明時の案内、公開後の点検も設計します。
文化庁はAIと著作権に関する考え方やチェックリストを公開しています。生成した文章や画像を使う場合も、AIが作ったという理由だけで権利の確認を省かないようにしましょう。
手順5:問題が起きたときの対応を用意する

- 誤入力や誤案内を見つけた人の報告先を決める。
- 停止・修正を行える担当者と連絡方法を決める。
- 何が入力・表示され、どこへ影響したかを確認する。
- 契約や社内手順に応じ、必要な対応を判断する。
- 原因と再発防止策を残し、再開前に確認する。
報告に必要な記録を集める際も、個人情報や秘密情報を別の場所へ広げないようにします。現場が問題を隠さず相談できるよう、窓口と初動を分かりやすく示してください。
手順6:よくある迷いを、短い例で共有する

長い規程だけでなく、現場向けの例を用意します。以下は、社内で調整するための書き方の例です。
顧客情報を含む資料は、そのまま入力せず、利用目的と承認済み環境を担当窓口へ確認する。生成した回答を社外へ使う前に、根拠資料と照合する。不明な場合は公開せず相談する。
利用者と管理者に実際の判断を試してもらい、解釈が分かれる箇所を直します。新しい担当者にも伝わるよう、利用開始時の説明と、最新版を見られる場所をそろえます。
手順7:変更時と、定期的な振り返りで見直す

ツールの条件、対象業務、扱うデータが変わったときは、ルールも確認します。AISIの評価資料も参考に、回答の正しさだけでなく、情報管理や意図しない動作を点検しましょう。
Web接客を導入する場合は、ピタリーの機能と利用の流れも確認してみてください。登録するFAQ、答える範囲、担当者へ案内する条件を整理し、自社のルールと利用条件を照らし合わせて検討できます。
参考情報
参考資料・関連情報
執筆・編集:aivy / 最終確認:2026.10.23
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